大分県の豊後高田市の山中に、日本で最大最古クラスの磨崖仏があります。車を駐めてから急な石段を数百メートル登りますが、木陰の石段は真夏でも涼やかでした。
参道はひたすら急な石段で、少し無心になりかけた時に突然現れるのが、この不動明王さんです。



もう一方にはこれも見上げる大きさの如来像が、少し厳しい顔をされています。


大きさでいうと国宝臼杵石仏よりも巨大ですが、顔から下は岩のままにしている手法は異なります。あえて岩から浮き出てきているような自然との一体感は、神仏習合の性格を表しているのでしょうか。
造立年は定かではないそうですが、鎌倉初期(1228年)の記録にはすでに両像が記されているそうです。覆屋もかかっていないので、磨崖仏らしい見応えのある作だと思います。