玉陵(たまうどぅん)は1501年に琉球の王、尚真王が父の遺骨を改葬するために築いた、第二尚氏王統の陵墓です。沖縄戦で大きな被害を受けましたが、戦後3年余りの歳月をかけて往時の姿を取り戻したそうです。
僕は沖縄の文化について僕はド素人なので、実際の文化遺産を見てはそれについて調べての連続ですが、玉うどぅんの迫力には特に衝撃を受けました。

かつての琉球諸島では、奄美から与那国島にかけて、洗骨改葬墓制が見られ、これは遺体を風葬し、数年後に白骨化した遺骨を水で洗い浄めてずしがめなどに入れ、それを墓におさめて祭祀の対象とする墓制だったそうです。(参考 宮城篤正 監修 「すぐわかる 沖縄の美術」)
東室は被災が最もひどく、室内にまで被害が及んでいたようですが、現在は見事な技術で修復され、見るからに王陵という感じの重厚な雰囲気もよみがえっています。


玉陵には資料室が併設されていて、規模は小さいですが必見の代物が展示されています。






修復された玉うどぅん。沖縄が日本の端にある地方の島ではなく独立した国家であり、独自で豊かな文化を持っていたであろうことは、この王墓を見るだけでも十分想像できました。
そんな琉球文化財はどれも近代の戦争と切り離して見ることはできず、色々と学ばなければならないなと、今更ながらに思うのでした。
「文化財を大切に」これは平和を意味する言葉でもありますね。