富盛のシーサー

沖縄県の八重瀬町には富盛(ともり)の大獅子と呼ばれる石のシーサーがいます。尚真王二十一年(1689年)に設置されたものだそうです。
火除け(火返し)の役割 を持ち、フィーザン(火山)といわれる八重瀬岳に向かっているのだそうです。高さ141㎝。

お土産物のシーサーとはまるで雰囲気の違うシーサーです。大きな口をうすく開け、何か言いたげな表情にも見えます。

肩や腕などにあるビー玉ぐらいの穴は銃弾の跡だそうです。この獅子を盾にするアメリカ兵の写真があり、火除けが弾除けに使われたとなると、獅子も笑えないわけです。

それは関係なくとも、この獅子は火返しの気概どころか 、ごく普通のシーサーのようなカラ元気さえ無く、もの悲しさが漂っています。大げさに例えると、この獅子の作者は火山に家族を奪われ、その供養のために造ったのではないかとさえ思えます。

沖縄のシーサーでは最古の作だそうですが、この独特の容貌には、建前とは違った想いが込められているように感じました。

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