大沢の池

京都市右京区嵯峨の大覚寺に隣接している大沢の池。この池は平安初期の嵯峨天皇の離宮、「嵯峨院」の庭園に利用されていたようで、面積は約2ヘクタールもあり、北側の一部に庭園跡が見られます。発掘調査の結果、北端に崩れたような滝石組と、蛇行して池へと向かう流れ(やりみず)の遺構が現れています。平安歌人、藤原公任は池の水が涸れている様子を歌い、その歌に由来してこの滝石組は「なこその滝」と名付けられています。

名勝 大沢の池と名古曽の滝跡
北側からの景色
池中に配された立石
発掘された「名こその滝」

滝とは言い難い状態です。 歌人西行は滝の石が閑院宮へ運び去られた様子を歌に詠んでいて、まさにその時のままの状態なのかもしれません。

大沢の池にはもう一ヵ所見逃せない文化財があります。 それが下の石仏群です。

平安後期から鎌倉初期説がありますが、どちらにしても古様で壮観な石仏群です。

シイの老木に押されて傾く石仏が 印象的ですが、堂々たる五智如来がそろっています。立派なお堂の中ではなく、常に自然にさらされることが多い石仏ならではの味わいがあり、これからも何百年とかけて、さらにその味わいを深めていくのでしょう。

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